先週末初めてバレエを観に行きました。バレエと言えば女の子というイメージが強く、我が家は息子が一人ですので全く縁がありません。女の子がいたら我が家もバレエのお稽古に通わせていたかもしれません。
いろいろなお芝居を観に行きますが、このバレエほどシンプルなものはないなぁというのが偽らざる感想です。なにせ特別な舞台装置はありません。照明の明暗と色合いだけで舞台構成が創られています。
歌舞伎や先日観に行った劇団四季のようなものはシンプルと言ってもやはり舞台演出も大切な要素。その点バレエはせいぜいバックに大きなイメージがあるだけ。あくまでバレリーナの踊りで観客を魅了することとなります。
こうしたシンプルな舞台を拝見して思ったのはシンプルこそ美しいという事。光の微妙な明るさや一寸した赤みを帯びた照明で舞台の雰囲気が大きく変わってしまいます。そしてそれだけの演出で十分に大きな効果が得られるのだとあらためて感じました。
技術が発達し映画の3Dをはじめバーチャルの世界を目にする機会が多くなりました。もちろん感動はありますが、一方で飽きも早いと感じます。それよりも役者の息遣いや細かな表情を目にすることの方が大きな感動を覚えます。
ふと我々の印刷でも同じなのかなと感じました。技術革新で特殊な印刷物がこの世に数多く出るようになりましたが、その多くが大きな感動を提供しているかというと違うように思います。見栄えも大切ですが、実は手にとって感動するのはそれだけではないだろうと…。
バレエは軟らかな手の動きや、ぶれない回転、一糸乱れない団体演技といった人の動きに大きな感動があります。感動を与えていくものは実はとってもシンプルなものだとあらためて感じた次第です。
ところで…女の子のものと思っていたバレエですが、大変失礼しました、男の子もいました。そしてバレエをやっている人は姿勢がいいですね。女の子のお稽古というのが何となく理解できたように思います。そしてめちゃくちゃ体力がいるものだとも…。芸術でありスポーツですね。
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