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目先という誘惑

ロンドンオリンピックまでいよいよあと三日、秒読みとなってきました。ついこの間北京が終わったばかりと思っていましたが、もう四年が経過したという事、時の経過の速さをあらためて実感しています。
このロンドン五輪、実は現地では地元経済への恩恵がいま一つだと言います。その代表的な話が市内のホテルの予約率、これが半数にも満たないとか。原因は法外な宿泊料。通常宿泊料金の倍以上の値段設定で敬遠されてしまったとか。
イギリスは長い間経済不振にあえいでいます。久々の国家プロジェクトの五輪ですので、ここで一気にもうけようと思ったか否かは不明ですが、いずれにしても特需を当て込んでの金額設定が支持されなかったという事のようです。
ここにきて値下げを始めたそうですが、郊外のホテルに流れてしまいこのままでは満室も難しいと言います。「欲の皮が突っ張った」と言いますが、まさにその言葉を絵にかいたような事態ですね。
需給バランスは景気を語るなかで大切なキーワードですが、せっかくの需要も顧客の足元を露骨に見ると結果は逆になってしまう典型的な例のようです。
高くても買いたい、購入したい、という消費心理をこのところマーケティングのキーワードとして取り上げられます。しかし高くてもよいにはやはり限度があるようで、購入する側の納得感を超えてしまったら不快になってしまいます。
お客様は商品の不良やサービスの不便は許しますが、「不快」は許さないといいます。そして一度この不快感を持ってしまったらもうお客様は戻ってこないとも…。ロンドン郊外のホテルが満室だと聞くと、目先の利益に走った代償が大きかったことがわかります。
「お客様目線」でいる事を常に心がけていないと、この「目先」という悪い誘惑に駆られてしまい大切なファンを失ってしまうとも限りません。人のふり見て…と言いますが、この状況実は我々目線でもありがち、報道に目を通しながら自戒した次第です。


コメント

  1. 鳥居です。 より:

    鳥原さん
    鋭い商才を持たれてますね!!
    とても勉強になります。
    今、経済は買い手主義となり、
    売り手は「価格」で勝負することが良しとする、
    風潮があるように感じます。
    私はサラリーマンなので、商売人の、気持ちがわかるわけでは
    ないですが、「価格=価値」が成立すればビジネスは成り立つと
    考えています。
    ロンドンのホテルの話は「価格=>価値」となってしまったと思うのですが、
    どうせ、戦略をかえるなら「価格 」を下げずに
    「価値」を上げるべきだと思います。
    今の日本経済においても同様の事が言えるのではないのでしょうか??

  2. トリハラ より:

    ご無沙汰しています。メッセージありがとうございます。おっしゃる通りです。この一番当たり前のことが具現化できず、苦労するんですよね。目先に奪われず当たり前のことを常に考えます。

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