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人として…

福島県川内村の住民の一時帰宅が始まりました。一時帰宅と言うと聞こえはいいですが、わずか二時間の滞在。しかも限られた袋に入るだけの量…といいますから、何とも気の毒な話です。
ところで持ち帰りのトップはアルバムだといいます。確かに思い出だけはやり直すわけにはいきません。ましてや写真という映像は再度作る事ができません。真っ先にアルバムを取りに行くというのは当然ですね。
写真がデジタル化しても結局印画紙にして(最近はプリンターですが…)保存をしています。デジタルフォトフレームという商品が出てきたものの、やはりアルバムをめくって思い出に浸るのはもっと先の事。ふと忘れた頃に取り出してなつかしむ、これは大切な人の感情です。電子化と何かと騒がれていますが、こうした記事を読むと紙に従事する者としてはささやかに嬉しいと感じます。
そんな川内村の住民に対して国から「自己責任を求める同意書」なるものが配布され、住民が反発しているそうです。そもそも同意して入っているのは当然、であり、さすがに村長も異を唱えているそうです。
こうした非常事態に国や行政が行う事とは一体何でしょうか。厳しい状況下にいる住民に少しでも精神的な負担を取り除くことが大命題。マーケティングの観点からいっても、お客様が一番嫌がる事をしているとしか思えません。担当大臣に至っては「安全に気を付けて行動してもらいたいとの趣旨」というなんだか木で鼻をくくったような釈明。潔く「厳重に注意する」と言ってしまった方が良かったと思います。
突然住んでいる家を着の身着のまま出る事になり、まさかこんなに長時間かかるとも思っていなかった人たち。当事者しかわからない苦痛…そんな時に頼りになるのは国のはず。こんな事の繰り返しでは日本を安心して任せられない…と思うのは私だけではないと思います。
もし国が民間であったらとっくに破たんをしているように感じます。世の中顧客満足が叫ばれ「ドラッカー」が紹介される今、大切な国民を預かる国こそ、「顧客満足」を考えてほしいと強く感じます。不愉快と感じてしまうこの同意書問題。その根底にあるのは「人」と思わず「契約者」と思っているのではないでしょうか。


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