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知らないところで頑張っている人たち

昨日で愛知県留置場視察委員会の委員を終えることができました。留置場の環境や待遇などを見て回り、気づいた部分を指摘し改善につなげる助言をするのです。場合によっては留置人との面会もあります。あっという間の4年間という任期でした。
最初は物見遊山の気持ちもありましたし、初めての留置人との面会はかなり緊張しました。留置人の待遇と言いますが、内情は結構な待遇です。本人が希望すれば医者にかかることもでき、中には透析患者もいるといいます。この治療費も我々の税金。
一方で古い施設では冷暖房が老朽化し、職員も厳しい環境で仕事をしているといいます。そんな環境改善の設備が買えないといいます。治療費が出る代わりに一方ではそうした設備にお金がないと…。
留置人の中には何度も捕まり収監される人もいますので、変な権利意識を持っている人もいます。市民を守るために収監した人に対して、至れり尽くせりの待遇をしなくてはならない矛盾を感じながらの職員の方々の仕事。精神的にもかなり負担だと感じました。
また留置室で読む文庫本なども職員の方の寄付だと言います。同じ本だけではいけないため、サイクルを作って入れ替えるのですが、当然本が潤沢にあるわけではなく、職員が自宅から持って補充しているのもあるそうです。
私も寄付をさせて頂きましたので「広く募ったら」と発言したところ、本を連絡の暗号に使う危険があると聞いてビックリ。よく簡単に「こうすれば」と言いますが、実はその意見が如何に無責任な時があるかというのを実感しました。
こうした職務はなかなか公にされません。我々はついつい顕在化している部分だけに目を奪われてしまいますが、仕事にはこうした表にならなくてもとても大切な仕事が数多くあることをあらためて感じました。
留置人の待遇を見て回るのが、いつの間にか職員の待遇に目が行くようになったのは、それだけ留置人の待遇がいいからだと気付いたからです。
貴重な体験でした。こうした我々の知らないところで安全を守っているからこそ、治安が保たれているのだと。そんなことを認識できただけでもいい経験でした。


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