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現実はそんなに甘くない

東京電力の家庭向けの電力料金に、この冬のボーナス分の人件費が原資分として計上しているという報道を耳にしました。東電はこの夏の賞与は見送ったそうですが、その事情を踏まえてなのでしょうか。人件費上昇分を安易に料金に上乗せしてしまう感覚に驚いています。
一般的に電力会社の給与は高いと言われています。これは今に始まった事ではなく、私の母親の若いころから言われていたとか。今回の原発事故で公になりましたが、かかった分だけ料金に上乗せしていますから、企業努力をあえてしなくても社員の待遇も確保されてきたという事ですね。
なんて冷静に書きながらなんという経営だと怒りさえ感じてしまいます。夏の賞与が払わなかったと言いますが、中小企業の実態はまさにその状況です。昨日もお客さんから聞きましたが、44歳の平均年収が404万円だと言います。
日本の95%以上が中小企業、多くの中小企業は厳しい経済状況の中でお金のやりくりをして何とか賃金を確保しているのが実態です。知り合いに大手の下請けをしている企業がありますが、毎年容赦ない値下げ要請…いや指値で金額が通達されると言います。
その上に海外進出の要請、そしてその資金はすべて自腹、そういった大きなリスクを抱えての企業経営を余儀なくされている状況で、経営者も社員も頑張っているのが実態です。
原発事故以来、東電社員にとっても肩身の狭い思いをしている毎日だと思います。末端の社員は現場で一生懸命に働いているのですから…。しかしこうした報道が出る事で、現場で汗を流している社員まで批判が行くのも気の毒だなと。一方で現実はそんなに甘くないという事を理解したのではと…。
電力会社は「公企業」と言われます。「おおやけ」という言葉がつくだけに、公共という使命を担っています。しかしながらその上に胡坐をかく時代ではありません。公共というキーワードがいつの間にか「好況」に頭がなっていないか…そんな滑ってしまう「洒落」が頭をよぎります。


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