漂着バレーボールがアラスカで発見…こんなほのぼのとした話題がありました。ご存知の通り昨年3月11日の東日本震災からちょうど一年経過してボールが漂着。一年もの間海をゆっくりと移動して到達した「生きた証」…何とも言えぬほのぼのとします。
よく空き瓶に手紙を入れて海に流すという話を聞きます。誰かがそれを受け取ったというニュースを聞きますが、これほど長い間、そしてあの大きな震災の関係の物が流れるとなるとやはり特別な思いですね。
「物より思い出」…いつか流れた自動車のCMでのキャッチコピー。しかし昨年の震災での被災者の多くはすべての物を失ってしまいました。写真をはじめ思い出を想起する物自体が無くなってしまいました。
災害にあった場合に一番に取り戻したいのは写真だといいます。自分生きてきた証である写真だけは大切にしたいと…。確かに写真にはその瞬間の思いが写っています。写真を見て「思い出」を想起することも多々あるもの…。
しかし今回震災によって多くの人がそうした映像も失ってしまいました。それだけに自分自身が生きてきた証である「寄せ書き」のボールは何よりもの宝物だったと思います。それ故、見つかってよかったと誰もが思う事です。
私の関わっている印刷という仕事は、多くの場所で手に取ってもらったり目に留まったりします。記念誌や文集などはその時々の思いが書き綴られています。その「思い」を形にして残していく使命が印刷です。
今回の漂流ボールは寄せ書きという「思いを形にする」使命がありました。本来の「蹴る」役割はありませんが、自身の生きた証という使命を担ったボールです。たまたま偶然でしょうか、二つのボールが見つかりそれぞれのドラマが明らかになりました。
ゆっくりとした時間をかけて海を渡ったボール、震災の被害は悲惨でしたが、何とも心温まるニュースでした。皆さんの周りには「生きた証」はありますか…。自分の生きた証ってなんだろう…ふと感じた次第です。
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