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こだわってはいられない

大阪府泉佐野市が市の名前の命名権を考えているという記事が話題になっています。命名権はこのところ球場やホール、最近名古屋市では歩道橋にも市の収入源として使われています。
市の名前を命名権として使うという発想は正直驚きましたが、一方でそれだけ財政がひっ迫している裏返しだともいえます。
市の名前を変えてしまうのは如何なものか…と思っていましたが、案外多い事に気が付きました。私の住んでいる名古屋市の隣、豊田市はもともと挙母市という地名。ご存知の通りトヨタ自動車の企業城下町となり豊田市に変更、東京の恵比寿も同じ理由だそうです。
一方で各地で旧地名の復活への機運が高まっていると聞きます。ここ名古屋でも「名古屋の旧町名を復活させる有志の会」が発足しました。中心部である栄は以前京町、両替町、鉄砲町などの地名でしたが1960年代に郵便の利便性を考えて今の地名に変わってしまいました。大切な歴史を残していく上での地名復活というこの運動、今回の命名権とは対極にあります。
とはいえ、泉佐野市がこうした事を考えていく背景には、財政のひっ迫感があることは事実。この試みがタブーという事は当然理解した上での今回の発表だと思います。住民の理解も必要ですので、早々に実施されるとは思いませんが、厳しい財政を発信するにはかなりのインパクトではなかったでしょうか。
大阪の橋下市長は「これも時代の流れであり面白い」といっています。本心はともかくビジネスの考え方が過去の慣例や延長線上にはないということ。慣例主義のお役所でさえも、こだわってはいられないという事でしょうね。
ところで、命名権というからには契約期間があるはず。極端な話毎年コロコロと住所名が変わったらと思うとやはり面倒。という事でこの話はかなり非現実的です。その非現実をあえていう今の時代。それほど今こそ「変わらなきゃ」なんだと感じます。


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