一昨年春に大学や専門学校を卒業した約85万人のうち、就職した人は65%の約57万人。その3分の一にあたる19万人が3年以内に離職する公算が強いといいます。加えて卒業時に就職しなかった人もくわえると「安定的な仕事に就かなかった人」は何と全体の半数の52%、40万人に上るというデータが公表されました。
我々が思っている以上に若者の雇用の問題が深刻な様子がわかります。一方で中小企業の多くは人手不足の感があり、相変わらずの大企業志向が若者の間にある事がわかります。
国は新年度事業でこの4月に就職できなかった学生を対象に3か月間の社会人教育を実施し、インターンシップを6か月間行う事業者に対して助成金を出すそうです。事業者はインターンシップ受け入れ企業先を探し、そこで学生がインターンシップの経験を通して受け入れ先との雇用の機会を作っていくそうです。
誤解を恐れずに書きますが、そこまで至れりつくせりの必要があるのか疑問です。中小企業に人手不足感がある現状で本当に大企業がそれだけ恵まれているのかと…。
大企業だから、有名企業だからと思って入社するとしたらその気持ちこそ危険です。就職はゴールでなくスタート。「してくれるだろう」という受け身の気持ちでいてはむしろ大企業の方が厳しいように感じます。
ところで、ある評論家が「離職という状況を引き起こす要因は企業に問題がある」といっていました。「いやいや違うでしょ!!」と、突っ込んでしまいました。とんでもない労働条件の会社はともかく、企業に問題があると一方的に決めつけるのはどうなのだろうと。
少なくとも中小企業の場合、採用に踏み切る会社は生半可な気持ちではありません。早く戦力になってもらおうと企業側も必死です。
社会での苦労は自ら越えなくてはなりません。苦労してやっと就職したのですから、ちょっとした壁にあたって挫折してしまうのはどうもいただけません。若者の雇用問題は社会にも責任があることは否定しませんが、社会人は自己責任。そして結果責任、国の施策は少々過保護すぎないかと感じてしまいます。先の助成金、その効果がどれだけあるかきちっと検証する必要があると思います。
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