写真は私が新卒として小学校の教職に就いた際の上司であった富田正之先生の自費出版です。昨年の夏、癌と戦う自身の本を出したいと当社で制作しました。
その先生が昨日亡くなりました。本が完成したのち、自分で地元の本屋さんをまわり本を置く交渉を自ら務め、その収益金を地元の児童養護施設に寄付することを計画していました。
とにかく今時珍しい頑固な先輩でした。自分の考えをしっかりと持ち、上司とも平気で衝突する気骨のある人でした。今回の癌もかなり前から自覚があったにもかかわらず、医者にもかからなかったそうです。
「男はそんなに簡単に痛い、痒いなんて言うもんじゃない!!」なんていう人でしたので、本来であれば治ったであろう癌も進行してしまい、人工肛門を付けるまでになってしまいました。
退院後は抗がん治療を続けての生活。最初にお会いした時と違い本の製作を進めていく間に見る見る間と血色もよくなり食欲も増え、本が完成した頃には、すっかり元気になったように感じました。
本の製作を通して自ら経験した癌との戦いを伝える強い使命感と出来上がった本を持って新聞社にも足を運び記事に取り上げていただく事で発信をしていた先生。人生最後の集大成だった今回の自費出版。そんな大切な思いをお手伝いをするご縁をいただきました。
人の縁というのは時間が経ってもつながっているんだと実感します。先輩に指名いただいた今回の自費出版、こうした強い思いを持ってお客様は製作しているのだとあらためて感じました。
あらためて我々の仕事がお役に立っている事、人のモチベーションをアップする後押しをしている事、生きがいを感じるお手伝いをしている事…そんなお役に立つんだとあらためて感じました。
ひとつの使命感を終えて旅立った先輩、お疲れ様でした。そして…安らかにお眠りください。ちなみに同じ先輩を持つ私の同居人のブログも読み比べていただければ幸いです。
HIME企画 ブログ http://www.maruwanet.co.jp/hime/blog/index.php
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