URLをHTTP[S]に変更しました。以前よりブックマークしてくださっている方は、こちらをクリックし、再登録をお願いいたします。

やりきれず悲しい報道

「リバースオークション」という言葉をご存知でしょうか。競り下げ方式の入札を言います。簡単にいえば一定時間内に一番安い価格を提示したところが契約する方式のこと。ようはネットオークションのようなものですね。
消費税引き上げの前に行政の無駄削減の一環として公共工事や物品購入などの公共調達の契約削減の為に政府が今年度から試験的に行っているもの。
あたかも調達の公正な改善のように感じますが、冷静に考えるとこれほど不愉快な記事はありません。デフレ脱却と言いながらデフレを助長する取り組みを政府が推進しているとも思える今回のこの記事、取り上げる新聞社の姿勢さえも正直疑ってしまいます。
仕事にはそれ相応の「価値」があります。こうして値段だけのダンピングは仕事そのものの価値を下げていると言っても過言ではありません。
ましてやこの競り下げ、一定時間内であれば何度でも入札が可能といいます。「価格破壊を業者の皆さんやってくださいね。」と言いそうなこの入札制度。こんなに腹立たしい事はないというのが実感です。
談合がいいと言ってたいるわけではありません。この入札は価格破壊を増長しているとしか思えないなというのが私の気持ちです。
ところで一番削減率が高かったのは、厚労省の報告書印刷で、93万から32万と三分の一の価格で落札されたそうです。昨年この地方の印刷会社は倒産が相次ぎましたが、全ては「安売り」。こうしてこんな大幅なダンピングを見ると、業界人として恥ずかしささえ感じます。
企業努力でコスト削減は当然の事、しかしそれ以上のダンピングを増長する政策、そして報道は慎んでほしいというのが率直な気持ちです。
一方でそれに参加して消耗戦に入っていく企業にもかなりの問題があるのは事実ですが…。それだけにやりきれず悲しい報道だな・・・というのが偽らざる気持ちです。
47.7:450:600:0:0:2012-02-18165149:right:1:1::0:


コメント

タイトルとURLをコピーしました