当社は月一回、全社会議と研修日を設けています。この日は仕事はせず、全社員が集合して会社の部門報告や当社独自の委員会活動、そして研修日となっています。
創業者である先代はこうした勉強会や会議は終業後や休みの日に行っていました。座学で時間を使うならその分、仕事をした方がいいという考えだったからです。
当時は高度成長期、受注を心配することなく生産は効率を求める事が優先されてきました。そして数を短い時間で多く作ることが美徳だと思われてきました。
時が変わり、効率を求めてもそれだけの数量の発注がないことが現実に起きています。品質や機能の良し悪し、そして価格が商品を決めるキーワードではなくなりました。
人口減少で横並びの消費との別れを告げると、個が中心となった消費となります。マーケティングという言葉をよく耳にするようになり、お客様の気持ちに訴えるような情緒的な部分がクローズアップされます。
その感性を培うのは「人」です。その人の向上なくして良い提案ができない時代がやってきたのだと感じています。
こうして月一の研修日を定期開催にするようになり10年ほど経過しています。そして今のように中身のある研修をするようになって数年が経過しました。
教育には即効性がありません。当社は最近では社員が自ら講師となり研修をするようになってきました。誰もが発信をし、自ら考える事を目的としているからです。
「俺についてこい」というリーダーシップだった先代、今は自ら考える事、足りない部分をお互いに埋めあう事で全社的な力を強くする時代です。
教育の在り方、考え方に正解はないと思っています。要は企業として社員を育てていく姿勢ではないでしょうか。即効性はない代わりに地道な積み重ねが先々大きな差がつくことを信じています。
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