先日の金土と印刷機材展が行われました。以前は組合主催の物やメーカーが自社でデモンストレーションなどをしていましたが、印刷出荷の縮小と共にこうした機材展も少なくなってきました。過去には小さい規模と言われた今回の展示会ですが、いまでは地元で開催する唯一の機材展です。
ここ数年印刷機械の展示が減少していましたが、今年は特に顕著。あのインクのにおいと回転する機械の音もほんの一部で聞こえるだけで、業界の縮小を肌で感じます。
そんな中で年々ブースが広がっているのが「コラボレーション展」。印刷業界に関わっている会社が自分たちの技術やサービスを発信する場、ここに出展する企業が増えてきたような感じがします。
写真は知り合いの印刷会社のブース。この会社月一回同業者を集めてお互いの勉強会を実施ているとか。紙加工の会社や製本会社を集めてお互いの技術を披露しているそうです。そんな彼らが関わって出来上がった商品が並べられていました。
印刷は自社で全て自己完結できるのはまれ。多かれ少なかれ他社の技術を利用して商品が出来上がっていきます。しかし今回のように多くの会社が関わって商品を展示していくというのはあまり今まで見かけませんでした。
こうしたことに参加しているのは次世代を担う若手の経営者、後継者の人たち。以前は系列下で仕事をする事があっただけに今回の試みはそうした既成概念を取り払う楽しみな試みだと感じます。
自分の会社だけ・・・という時代ではなくなりました。ましてや需要が縮小し少なくなっていくパイをお互いにとり合えば、結局は価格競争となり疲弊をしていくだけ。お互いの技術をコラボすることで今まで縁のなかった市場を開拓することができます。
「共創ネットワーク」という業界で少し前に聞いた言葉。いよいよ具現化している会社が現れました。縮小という話ばかりが先行し、先が見えないと言われていますが、立派に次を見据えている若手がいる事を知り、頼もしく感じるとともに安閑としていられないなと感じます。
やはり情報や刺激は、出かけて距離を移動し、時間を使って初めて感じる事ですね。
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