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ないならないで済んでしまう

NHK大河ドラマ「江」の最終回の平均視聴率が17.7%だったそうです。これって多いのか少ないのかわからなかったので、過去の大河ドラマの視聴率をちょっと調べてみました。
平均視聴率で見ると昨年の竜馬伝は18.7%、その前の天地人は21.2%、篤姫は24.5%・・・。過去には13%台もいくつかありましたし、人気が高かったと思った竜馬伝と1%の差だけだったと聞くと、視聴率不足に悩んだ「江」も十分健闘したのではなかったでしょうか。
過去には30%を超える視聴率もいくつかありましたが、それも昭和の時代まで。平成に入ってからは20%前後を行ったり来たりという感じです。
一方あの「南極大陸」、豪華キャストで、事前の番宣を何回もやっていたTBS肝いりの番組が視聴率不足に悩んでいます。初回はまずまずだったそうですが、先日の日曜日は13%とか。こうなるとキムタクをはじめ香川照之や柴田恭平といった豪華キャストをそろえても視聴率はなかなか稼げなくなった時代が来たという証です。
私の周りには地デジになってからテレビを見なくなったという人がいます。友人はテレビを買い替えていなく家族も不満が出ず、テレビのない生活を送っているといいます。
「ないならないで済んでしまう…」と言っていましたが、確かにインターネット環境が整備された今、情報源はなにもテレビだけでないという証拠のようです。
高度成長期のテレビ番組は面白かったといいます。巨泉・前武の「ゲバゲバ90分」なんて好きだったなあ。しかし当時の映像技術と情報量から見た場合に面白いのであり、今の基準にしてしまえばそれほど目新しくありません。それだけ映像が進歩し情報が多くなった証。
また「東京ラブストーリー」のように若者のハートをぐっとつかむものもなかなか作れなくなったと言います。それも先のテレビそのものを見なくなったとしたらうなづけます。
我々の印刷業が構造不況にあえいでいます。しかし「情報」という括りで考えた場合、媒体と言われるものすべてがIT化によって厳しい局面に来ているのではないでしょうか。
全員が同じものを観るのでなく、「個」がそれぞれ好きなものを一人で楽しむ時代。ビジネスモデルそのものが個に移っているような気がします。
成功したモデルそのものが他で応用できず、また概念や考え方をアレンジしないと使えない時代になってきました。「突飛な」考え方、思考がこれから求められる・・・我々世代の固い頭では考えもつかないそんな時代です。
それでも一つだけわかることがあります。「いつまでもキムタクじゃないでしょっ」…って。


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