小さいころ家に初めてのカラーテレビが入った時、重厚な家具調のボディーに観音開きの大きなガタイだったことを覚えています。特にブラウン管の扉の前に絨毯のような緞帳??みたいなものがあり、「ありがたい」というイメージでした(笑)。
時代が過ぎテレビは白物家電の王様。テレビのインチ数が上がっていくにつれて、奥行きが50センチ以上の大きなテレビも登場。リビングに座る存在感がますます大きくなりました。
ところが…地上デジタルに伴い画面が液晶。加えてインチ数が同じでもブラウン管に比べると小さく感じてしまいます。
先日はとうとう女性が22インチの液晶テレビを地下鉄で持っているのを見て驚いてしまいました。22インチと言えば、結構大きなテレビだったのですが、今や手荷物のように地下鉄に持って乗れる大きさです。
家電メーカー各社がテレビの生産から撤退するニュースを今週は幾度となく目にします。原因は液晶パネルの低価格化。
以前のブラウン管方式だと各社各様の色の味付けを出していました。ちなみに私はSONY党、あの独特の黒の再現のトリニトロン方式が好きでした。
デジタルテレビは方式に違いがあるものの、各社ごとの差が無くなってしまったように感じます。差がないという事は残りの差別化は価格。結局価格…なんですね。
重厚長大がもてはやされた時代から軽薄短小の時代。と思っていたら、いま強い会社は重厚長大だとか。ただし、業種が重厚長大であっても小型化、軽量化、高付加価値化に軸足を移し企業努力をしている会社が目立っているそうです。
こうした会社は自らが新たな分野へ切り込んできた事で結果出していると言われています。時代が変わったと嘆くのでなく、企業の能動的な姿勢があらためて問われる時代となったようです。
ところで、TPPの議論が連日のように報道されています。いよいよ参加の方向で野田総理は固めたといいます。これだけ国内で利益が出しにくい状況で輸出に依存する日本としては必然の方向かもしれません。
しかし旧来の延長上でのビジネスモデルを考えていたら、恩恵を被るのはほんの短期間ではないでしょうか。参加の場合の農業問題が議論されていますが、日本のモノづくりをクローズアップするためには過去の延長上にない新たな軸足を考えていく努力が必要だと感じます。
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