大王製紙の井川会長、背任容疑で逮捕されました。100億円というお金をつぎ込む…額がピンときませんが、カジノで100億円を使うという事は実はさして珍しくないそうです。4000万円、5000万円と賭けていくと100億円になってしまうとか。
東大を卒業し大王に入社、経営手腕は評判も高く黒字転換にしたといいますから、経営者としての手腕は評判も良かったという事ですね。それだけにあらためてギャンブルの怖さを感じます。
「人間は欲をかくとろくなことがない」といいます。当初は一寸した額(と言っても1億円ですが…)を手にしてギャンブルの道に入ったそうですが、ギャンブルもいつも勝ち続けるわけにはいきません。結局穴埋めをするために法外な賭けが雪だるま式に増えるのはギャンブルの世界ではよく聞くこと。
上場会社にも関わらずこうした状況が起こることに正直驚いています。第三者の目があるはずですから、結局は上場とはいえオーナー経営が原因でしょうか。
それではオーナー経営というのはだめなのでしょうか。オーナー経営の長所は意思決定の早さ、そして事業継承がスムーズあり、何よりも経営に対する責任感も強いのが一般的な考え方。
中小企業の場合ほとんどオーナー経営です。当社もご多分にもれずオーナー経営です。当たり前のことですが、当社を含めて私の周りのオーナー経営者は総じて真面目に経営しています。特に昨今は「社員満足」を求めて一生懸命に勉強している経営者もいます。
数字を開示する会社も多くなりました。それほど会社の透明性に努めている中小企業が増えたという事です。要は公私混同は許されなくなったというのが風潮。オーナー家に口出しはできなかったと役員の話ですが、それでよく上場できたなと思います。
今回の被害者は前線で働く社員。印刷業を営む当社も大王製紙の紙を使用しています。同業社長は大王以外の紙に切り替えたといいます。一つの会社では小さな消費量ですが「ちりも積もれば」の言葉通り全国でこうした行動に出ると当然売り上げに影響が出ます。
日本の最高学府の東大を卒業し大企業のオーナー経営者、社会的地位もある経営者像ですが、そんな彼でも「欲」というものには勝てなかったという事。あらためて人の弱さを感じます。ただ今回の場合ちょっと極端ですが…。
ただでさえ厳しい印刷業界、その中で一生懸命に営業活動をしている社員にとっては「やってられない・・・」これが本心ではないでしょうか。
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