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スペイン皇太子賞

スペイン皇太子賞というのがあるそうです。なんでも人類に貢献した個人や団体に対して贈られるもので東京電力福島第1原発事故の対応に奔走した警察、消防、自衛隊の人たちが受賞しました。彼らを「フクシマの英雄たち」と呼ぶそうです。

出席者の代表で東京消防庁ハイパーレスキュー隊機動部隊総括隊長の冨岡豊彦消防指令が「『フクシマの英雄たち』という称号を授かったのは、ここにいる受賞者のみならず日本全国民だ」とあいさつし、スペイン皇太子は「勇気ある犠牲の精神は、世界の見本となる」と彼らをたたえたそうです。

確かに世界に類を見ない震災、そして原発事故。それに真正面から向かって行った彼らを世界が認めたというのは日本人として誇りに思います。

一方ではいまだに原発の放射能漏れで自宅に帰ることができない数多くの人たちを見ると、表彰よりもこの事故が起こらなかった方がよかったという気持ちも強くなるのも事実です。うれしい受賞でありながら何とも複雑な思いを持ってしまいます。

今回の震災では被災した日本人の礼節が世界中に発信され、あらためて日本人の礼儀正しさ、謙虚さが賞賛されました。しかしいくら賞賛されても厳しい避難所暮らしが楽になるわけではありません。また実際には報道されないだけで、現地では心無い行為があるとも聞いています。

今回の震災の記憶を我々から決して消し去ってはいけません。時の経過が記憶を消し去っていく、時間が解決するといいますが、当事者たちにとっては決してそんなことはありません。同じ日本に住みながら何も被害のない私たちといまだに苦労している被災地の人たちとの状況の差は、何とも理不尽な事だと感じます。

こうした表彰やそして報道で記憶を忘れない工夫が必要だと感じます。ちょうど8月15日が来ると終戦記念日でのテレビの特番みたいなようなもののように。

記憶を消さない…今回のスペイン皇太子の表彰はこうした記憶を再度呼び起こしてくれたものだと感じています。復興はまだまだ遠い先、それまでに我々ができる事は記憶を風化させないことだと感じます。


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