一週間ぶりに青空を見ました。台風12号の被害を目の当たりにするたびに、あらためて自然の猛威を感じます。
接近前から今回の台風の大きさが尋常ではないことは盛んに報道されていました。宇宙衛星から撮影された台風の目、そして雲の大きさから一目で巨大台風であることが我々素人でも理解できました。
それだけ事前の情報があっても多くの死者と行方不明者を出すという事は、今回の台風がやっぱり「想定外」という証なのでしょうか。海から4kmもの上流でも氾濫するという映像を見ると自然の脅威は我々の理解を超えている事を実感します。
元々雨の多いところでこうした土砂降りは珍しくなかったといいます。したがって住民もそれほど危機感がなかったそうです。「避難指示」云々の議論がされていますが、仮にあったとしても多くの住民がその指示に従ったかというとはなはだ疑問だとも言われています。
過去の経験則というもので人は行動を判断します。その経験が多い程役に立つのが普通ですが、こと自然災害だけはこの経験が邪魔になることを今回の台風が証明したのではないでしょうか。
先日のブログでBCP(事業継続計画)の事を書きました。ついつい地震の事を想定してしまいますが、考えてみれば台風も同じこと。当社の300メートルほど北側には天白川があります。決壊はないと思っていましたが、今回の災害をみると絶対に…と言えないなと思います。
これから台風シーズン。どれだけ科学が発達してもそして事前に予測ができたとしても現実に起こってみないとわからない事ばかりです。
それにしても那智勝浦町の寺本町長は奥さんが行方不明、結納を翌日に控えた娘さんが亡くなりました。娘さんとの遺体での対面はわずか30分といいます。
自分の悲しみよりも住民の安否、そして災害復旧にあたるという彼の姿勢、当たり前と言えども冷静に報道陣に対応する町長の姿をみると真のリーダー像を見たような気がします。そして神様はなんとむごいことを課すのかなと…。
震災に始まって、このところの台風による被害、どうも今年は自然との闘いがキーワードのような気がします。「闘い」いやこれが本当の自然との「共存」だと思います。
「備えあれば憂いなし」と共に「想定外の自然の猛威」を考えてはいけないのだと…。そして自然の中では我々の営みは小さなことだと…認めることです。
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