今回の台風15号の猛威はすさまじいものでした。出張先の東京から結局帰ることができませんでした。久々に目の当たりにした横殴りの暴風雨。どんなに文明が発達しても、交通機関の寸断を体験すると自然には勝てないことを実感します。
当初和歌山県や奈良県のせき止湖の土砂災害ばかりが心配されていましたので、まさか名古屋が11年ぶりに水の被害になるとはこれっぽちも思いませんでした。日曜日の夜から激しい雨が降り、一昨日はあれよあれよという間に各地で浸水。
少しだけ距離が離れていても雨の降り方が全く違う自然の営み。会社のある天白区から社員を送った春日井市まで直線距離で数キロ。あっという間に雨脚が強くなり視界不良となる状態。雨が「怖い」と久々に感じた一瞬です。
名古屋市は11年前に東海豪雨に見舞われています。それ以来名古屋市及び周辺部ではハザードマップを作成して災害への備えをしています。前回被災した同業者の対応もさすがに迅速でした。しかし同じ名古屋市民でも、そうした経験がない者にとっては、これほどの雨が降ると当時の嫌な記憶がよみがえってきます。
このところ話題になっているBCP(事業継続計画)。実際にこうした事態に遭遇すると…最終決断のタイミングの難しさを感じます。避難区域でない場合でも自宅が大変な事になる…こうした事への対応は計画策定時に見落としてしまうようです。
地震や火災とは違い、台風というじわじわと迫ってくる場合はスパッと決定できません。こうしたゆっくり迫る時の対応はかなり難しいと今回感じました。
川の様子を実際に見に行き、事務所ではAMラジオをつけて情報収集、そしてネットでも名古屋市の災害対策本部の情報をチェック。こうした事を繰り返しても次なる行動を出すタイミングの難しさ。
社員への連絡網のチェックをはじめマニュアルに記したことを総務が粛々と確認、書面にした事がこうして役立つことあらためて感じましたが、刻々と変化していく天候に対しての対応、つまり決断は全く別のものです。
以前のブログで「備えあれば憂いなし」なんてのんきなことを書きました。確かに計画策定の重要性をあらためて実感したBCPですが、最も大切な事に気づいた今回のキーワード、それは「決める…」という事。この言葉が今回あらためてBCPの根幹の部分だと感じました。
潔く…決める…経営者はあらゆる部分で「判断し決断する」します。これが経営を預かるものの一番の仕事ですね。今更ながら大きな責任を担っていることを痛感する今回の台風です。
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