「私は安心して子供を作り育てていく環境づくりのお手伝いをしたいと思い起業しました。おかげさまで当社のコールセンターの女性社員も日常から笑い声が聞こえます。」と話されたのは先日のおもてなし経営企業線で受賞したライフネット生命の出口会長の言葉。
出口会長は60歳で退職後自ら起業し、安価な価格でのインターネットでの保険を提供。半額程度の保険料のおかげで業績は伸び、今では多くのユーザーの方から感謝の声を頂いているそうです。
出口社長の挨拶で「まず社員を大切にしていくのがトップとしての役割。そのための環境づくりに邁進しないといけない」と話をされています。保険の世界はノルマが優先と思われがちですが、「お客様に喜んでいただく」環境づくりをし、社員が主体的に行動できるよう常に考えているのが印象的でした。
ライフネット生命はテレビCMでもよく流れていますのでご存知だと思います。出口会長はカンブリア宮殿にも登場された誰もが知っている会社のトップ。その方がかつてのビジネスモデルとは反対の発言と行動ですから時代は変わったなと感じます。
ところで今回の受賞企業で印象的だったのは、出口会長のような年配の方の一方で、30代40代の若い経営者の方も多かったことです。ベンチャー企業に見られるような「イケイケ」感が目立つ年代が多いだけに意外でした。
働く意義というのは社員それぞれによって違います。「24時間働けますか」のCMにあった頃の「企業戦士」がもてはやされた時代のような「稼ぐ」社員もいます。一方で「人の役に立ちたい」「自分の時間を大切にしたい」という人もいます。
社員の働く価値観が多種多様になってきた昨今、我々経営者は全ての社員に満足できるステージを提供はできないと思います。だからこそ「こんな会社で行きたい」という「経営理念」が大切になってきているのだと思います。
中小企業は福利厚生、待遇に限界があります。お金では代えがたいもの、それが冒頭の出口会長のような発言ではないかなと。経営に正解はありません。だからこそ私は出口会長同様に「こだわりたい」と思っています。