「民間で働く楽しさをようやく実感しています。」この言葉は数年前に小学校の校長先生を退職され現在幼稚園の園長先生をされているお客様の声です。行政関係のお誘いをあえて断って民間企業に飛び込まれました。
「園長先生」といってもそこは民間の幼稚園。少子化が進むなかで毎年入園する子供さんの人数確保は企業経営同様に毎年神経を使います。現役時の校長先生の立場とは同じというわけにはいきません。
「ようやく就任時に目標としていた園児が確保できました。」とうれしそうに話された園長先生。その顔はすっかり民間人、それも我々同様企業経営者と同じ顔をされていました。「何よりも口コミがうれしい」という言葉から如何に幼稚園の評判を上げていくために苦労されたかが分かります。
最初にお会いした当時は校長先生でしたが、その時には決して見せることのなかった穏やかな表情。もちろん子供たちに見せる笑顔はいつものことでしたが、一歩職員室では厳しい事もしばしば。その厳しさは「管理」という守りから出るような印象でした。
「児童が転入で増えると場合によっては面倒だなんて当時は勝手なことを考えていました」と語る園長先生。それだけ毎日教育現場の置かれている厳しい状況によってどうしても目先だけ見てしまっていたと言っていました。
園長先生のお話を聞きながら、あらためて商いというのは「自身が努力を積み重ねることで実現する喜びを体感できる場」だと教えられた気がします。
「鳥原さんがいつも笑顔で学校にいらしていた意味が分かりました」といってくださった園長先生ですが、おそらく日々の経営で頭を悩ますことが多かっただけに、逆にお客様の前ではこうした空気感を発信していたのだなと思います。
「我々の仕事は笑顔をお届けすること」これがお客様のファンづくりの原点です。業界の置かれた厳しさばかりに目が行きがちですが、あらためて大切なことを気づかせていただいた気がします。