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肝に銘じる

先週末に「お家騒動」と大きく報じられた上場企業の株主総会がありました。結果娘さんの提案に株主さんの過半数の支持となり、「次世代」にバトンが譲られることとなりました。
正確には親族や関係者の株数を引くと、実質は8割以上が次世代を支持したといいます。先代のビジネスモデルがいくら企業の発展に寄与したとはいえ、やはりこれからの時代を託すのは過去ではないということですね。
この株主総会では一般株主からも厳しい発言があったそうです。「昨年までは我々一般株主の意見に耳を傾けなかったではないか。何を今さら」「内輪もめをしているぐらいならお客様を見るべきだ」「株主として恥ずかしい・・・」どれもごもっともです。
ところで印象的なやりとりがありました。新社長就任の記者会見で報道陣から「社員の方々との関係は今後いかがお考えですか・・・」という質問に、新社長がしばらく黙ったというのです。
表情ひとつ変えずに淡々と質問に答え、感情を表に出していた会長とは対極にある対応をしていた新社長が黙ってしまう、社員との関係の修復にはかなりの体力を要すると自覚している表れです。
今回の一件で一番の被害者は社員ではないでしょうか。現場で業績を上げようと努力している社員にとって、トップ層自らがイメージダウンの材料を作ってしまうのですから、やりきれないなと思います。
我々のような中小零細企業と違い大企業は誰もが知っている「企業ブランド」があり、それが社員自身のモチベーション維持につながります。「誰もが知っている」企業に働くことは自身にとって「誇り」であるべきですから。それが「足かせとなる」なんとも皮肉です。
上場企業では比較的珍しい同属企業。だからこそ今回の同属企業の姿を我々と一緒にしての欲しくはありません。オーナー経営の私たちは「一枚岩」を貫く努力をしています。それが社員や協力会社、お客様に対して「正しい経営」だからです。
今回のゴタゴタは私にも理解ができません。次世代に経営は移りますが、正しい経営を進めるための社員との信頼関係が急務、どんな経営手法よりも厳しい課題が残ってしまったようです。壊すのは簡単、それだけに私も肝に銘じたいと思います。


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