ベースアップの話題が盛んに報道されています。業績不振のSHARPはベースアップはないものの、あのリコールで大変なホンダでさえベースアップをするとか。後は、中小企業にどう波及するかだと言われています。
一般的に新聞での中小企業の規模は300人程度を指すと言いますから、零細企業の我々の声が正しく届いているとは思いません。春闘という見出しを見ながらため息が出てしまいます。
とはいえ、大企業の話だからといつまでもほっておくわけにはいかず、先日給与についてお手伝いをして下さったコンサルタントの方に給与テーブルについての相談メールをしました。
給与体型を変更し数年近くが経過。そろそろ微調整をしないといけないと思っていましたので、私としては当然の相談だと思って投げ掛けました。ところがその返事は意外なものでした。
「依頼の件なかなかの難題です。世間相場はあってないようなもの。業界相場なら社長の方が肌感覚は正しいと思われます。」そして「大企業はベースアップができる余力はありますが、中小は相変わらず関係ない世界です」と。
最後に「全く社長の期待する答えになっていませんが、こちらでやれることが少ないのかなと思っています。せっかくお問い合わせをいただきながらスミマセン」と締め括られていました。
ようは給与については確たる根拠がないということ。その会社や業界の実情が優先し「政治的判断」で決定していくものだとあらためて感じます。今まで幾度となくこうしたセミナーや研修会に参加しまし、世間相場といわれるデータも拝見しました。
しかしやはりぴったりきません。その理由は、おそらく社員全員に当てはまるものを追い求めているからだと思います。大企業は線引きできちゃいますが、我々の規模は社員一人ひとりの顔が見えるだけにそうした感情が入ってしまうんだろうと。
結局そこが人間的なのだと納得してしまった私。経営者の間はずっと悩むのでしょうね。ただ肝に銘じたことがあります。「社員が安心できる処遇をする・・・」先は長いですが「絶対に達成する」あらためて強く感じた次第です。