昨年はおかげさまで多くの場所で講演をさせていただく機会がありました。業界の役割としての講演や中小企業のCSR活動としての社員教育は例年通りですが、昨年は初体験の講義の依頼もいただきました。
それが「マーケティング」です。印刷会社の私にマーケティングの講義依頼というのは当たり前のようで意外です。実はあるメーカーの中部支社が販売店に対して自社製品をどう販路拡大をしていくかに対する講義依頼でした。
ひとつは効果的なチラシの打ち方。チラシに対する考え方を販売店の方に知っていただく為の講義です。そしてもう一つがお店の認知について。どうお店を認知してもらい、来店いただいた方に購入まで導いていくかという内容です。
中身は普段からマーケティングを勉強している方にとっては当たり前の内容ですが、実際に講義をすると主催者であるメーカーの人にとっても目からウロコだったと評価をいただきました。要するにマーケティングを知らない人が多いという証です。
売りたいという気持ちは商売する人にとって当たり前のことですが、実はどうしたら購入してもらえるかという思考になかなかならない事を感じます。それほど普段から勉強する機会が少ないお店の人が多いのだとあらためて感じたのです。
ということは「教え伝えていく」ことも顧客にとってのサービスにつながるのだと。「これからの印刷会社の生き残りはコンサル業だよ」私の尊敬する他業種の社長はそう言います。お客様の困りごとを聞くことで解決するために仕事を発生させるのだと。
宣伝会議の月刊誌「販促会議」の新年号に「聞き方入門」の特集がありました。「相手にボロボロと話をしてもらう聞き方」と題したこの特集記事、お客様自身も曖昧になっている悩みを聞き出して具現化していくことが我々の仕事なのだと思います。
「コンサル」というと大げさですが、「話をしてもらう」と考えれば普段の我々の仕事に近づきます。実は当社の新年の営業方針がこの「お悩みを聞き出す」ことでした。あらためて私が言うまでもなく社員が気づいていました。
そのために営業や現場の社員のスキルアップが求められます。「引き出し」が多くないと聞き出すことができません。彼らの活動結果がまた私の講義の題材になります。机上の空論ではない活きた教材を今年も発信できそうです。