とことん

先日同じ業界の若手経営者が当社を尋ねてきました。彼の会社のお客様は印刷会社、俗に言う「下請け会社」です。その彼が先日企画した印刷物を県に無償配布し、表彰されている記事を見かけました。その一連の話を彼に聞く事ができました。
下請け会社といえば技術的に特化していくか、金額で勝負していくか、そんなイメージが自分にはありましたが、話を聞くうちに我々よりもずっと工夫していると思いました。印刷物に対する思いが我々なんかよりも強いなと･･･。
印刷物を受注するという受身ではなく、印刷物の需要を自分で作り出しているというイメージ。最近業界ではよく言われる、印刷物を「モノ」でなく「コト」に実際にしているなと彼を見ていて思いました。
わたしも印刷業界が生き残っていくあるべき姿だと思っています。しかし直接取引が多いために「最終製品が紙媒体でなくてもいい」という事で彼ほど印刷に対するこだわりが薄れてしまっていると感じました。
「自分たちは印刷機を自前で持っているだけに、価格だけの仕事だけでは限界がある･･･」頭では誰でもわかっているものの、実際に行動を起こしていく覚悟は見事ですし、実際にそれが成果を出していることに驚きました。
「思いはかなう」とよく言います。しかし思っているだけでは成果は出ません。徹底的に頭を使い行動しているかというと、どこか印刷物意外に逃げ道を作っていたのではないかなと。「紙媒体はまだまだ捨てたものじゃないといいつつ、それでも減っていくし」みたいな。
「とことん」という言葉を使いますが、このとことん突き詰めていく事が行動の原動力だと思います。どれだけ脳に汗をかいているか、そう考えるとまだまだどこか経営に対する甘えみたいなものがあるのだろうと感じた次第です。
当社は多くの販促品や企画商品を提案しています。いい商品や企画だと思うのですが、なかなか結果が出ません。おそらくそれは「商品を愛する執着心」みたいなものが足りないのだと彼を見ていて思いました。「とことん」この言葉がよぎった次第です。

Tweet