気が付けば来週から12月に入ります。印刷業界ではかつてこの時期は年賀状の印刷で大忙しでした。かつてという言葉を使いましたが少なくとも当社ではそうでした。立替用に年賀状を大量に購入し、見本帳を作り年賀状の制作工程を社内で確認していました。
ところがここ数年、年賀状の仕事は激減しました。3年ほど前にカラーの年賀状を請け負うためにカラフルな見本帳を作ったのが最後かもしれません。なんと今年は郵便局も年賀状の印刷を請け負うとCMを流しています。
いよいよ郵便局が年賀状印刷まで請け負う・・・これも時代だなと感じます。以前であれば印刷会社と郵便局は共存の立場にあったはず。印刷会社に対する越権行為など考えられなかったのですが。
しかし家庭用プリンターが普及するようになり、自宅で年賀状印刷ができるのが常識となりました。なにせ一年間でもっともプリンターがこの時期に売れるというのですから、年賀状をわざわざ印刷会社に出さなくてもという風潮になってきたことも事実です。
「年賀状の役割ってなんだろう」・・・一年に一度はがきをやり取りすることで、「元気にしているな」「こんなに子供が大きくなったかぁ」といったご縁のあった人たちとの「風の便り」を確認していたのではと思います。
最近はメールやSNSが発達するようになり、あらためてそうした確認をしなくても、お互いの状況が気軽にできるようになってきました。あらためて年賀状を出さなくてもという気持ちがあるのも大きいかもしれません。
実は当社もそして我が家も年賀状をここ数年出していません。「年末挨拶状」としてクリスマスの時期に合わせて出すようになりました。新年の多くの年賀状に紛れるよりもこの時期に出したほうが見ていただけるというのが理由です。
数十年後には年賀状という形態は無くなっているかもしれません。それでも人と人とをつなぐ情報ツールは存在していると思います。印刷会社は情報を紙に再現してきました。これからは我々の役目は情報を加工してお届けする仕事になると思います。
年賀状の話題から飛躍しました。情報を加工して皆さんに喜んでいただく、当社の目指す姿だなとあらためて思った次第です。