先日コーディネーターという役割を引き受けて気がついたことがあります。パネルディスカッションでのセミナー形式に受講者として参加することは幾度となくありますが、パネラーが発言しやすい環境づくりというのは思いのほか大変だとあらためて感じました。
コーディネーターの役割はパネラーの話を引き出し、活発な会話が飛び交うことです。しかし注意しなくてはならないのはあまり喋りすぎないようにうまく働きかけなくてはなりません。場合によっては話に割って入ることも必要になってきます。
実はもうひとつ気がついたことがあります。それは場の空気を読むことです。受講されている人たちが、何を聞きたいのかどんな意見を待っているのか、それをパネラーとは反対の受講者に対して空気感を感じないといけません。
ただ単に喋ってもらっても聞いている人達にとって井戸端会議ではいけません。実際にやってみてわかったのですが、テーマの全体を俯瞰する気持ちがないとこうした空気も感じることができないなとあらためて思いました。
阿川佐和子さんの「聞く力」という本が有名です。サワコの朝という土曜日の朝の番組をたまに見ることがありますが、あの絶妙なツッコミと間の取り方は流石だなと思います。何よりも視聴者の我々が話の中に吸い込まれていくのですから。
今回経験してわかったことは、聞くということがいかに大切かということ。「デキル」営業は聞くことが上手いと言いますが、かなり意識しないとなかなかできないなと思います。現にわずかの時間でしたがどっと疲れてしまいましたので。
いかに普段から我々は自分から喋ってしまっているのだと思います。聞くことが大切と言いながらついつい喋ってしまうのだと。今回経験してみて感じたことは聞くことで空気を感じることができるということ。「空気を読む」行為につながっているのだと。
特に経営者は心がけなくてはいけません。あらためてそんなことを感じました。思わぬことに気がついた今回の経験。何事も一度やってみると新たな気づきがあるようです。