私が懇意にしている先輩経営者とたまに会食する時もがあります。その方創業社長で私より若干年上。先日創業した会社のある部門を同業他社に営業譲渡しました。その際、社員にも希望通りの会社への在職を実現しました。
おかげさまで営業譲渡した会社ともささやかですが、取引をいただいています。とはいえ譲渡先との関係は今までありませんでしたので。仕事も少なくなり当時お世話になった転籍された社員の方とお会いすることもめっきり少なくなりました。
先日久々に譲渡先の会社におしゃまして、社員の方とお会いして驚いてしまいました。もともと体格ががっちりとされていたのですが、見事にがっちりという表現ではなく太っていたからです。
先輩経営者は身だしなみに大変厳しい方です。特に客商売という事もあり、肥満に対しては口酸っぱく社員に言っていたのを覚えています。譲渡先の会社は業種こそ同じでも接客に対するコンセプトは至って庶民感覚。
その影響もあるのか以前はくせ毛をきちっと整髪剤で固めていたのが、髪の毛も自然に任せ、何ともだらしない…いや失礼、ラフになってしまったという印象です。たまたま先輩経営者と食事をする機会があり、そのことをお伝えしたところ、自社の社員も先日たまたまばったりと街で会い、同じ印象を持っていたと話していました。
外見だけが決して人を評価するものではありません。しかし一方で客商売は外見も大切な判断基準となります。「僕は口うるさかったからね」とその先輩。しかしそうした変貌ぶりを見ると経営者として譲れない部分はたとえ煙たがられても言い続けるべきと思います。
無くて七癖といいます。結局は言い続けても根本から変わることは難しいのだと思います。会社としてきちっと守りたいもの、大切にしたいものを経営者は言い続けるべきなんだとあらためて感じました。
トップはいつも口うるさいことを言います。時には社員に反感を買う事もあります。しかしそれがトップとしての役目だと思います。だからいつもそうした事を明確に発信することが必要なのだと思います。人は重しが無くなった途端に安易な方に流れるのだと改めて感じます。