先日、ある本を購入したくなり近所の本屋へお邪魔しました。地元ではある程度の規模の書店です。といっても駅前にあるような本を備え付けのタブレットで探すようなシステムまではありません。
求める書籍がわからなかったので、店員の方にお尋ねしました。「少しお待ちください」と言われて待つこと10分、その間に店員が右往左往しているのが分かります。在庫記録にはあるようですが、目的の場所にその本が見当たらない・・・そんなようです。
結局こちらから「ないようですね」と声をかけた次第。店員は申し訳なさそうでした。この時感じたのは人が待てるのはせいぜい5分までだなという事、それ以上時間が経過してくると明らかに「長い」と感じてしまうのです。
明らかに書店の役割は変わりつつあるなと感じます。目的の本を探すだけならネットを使えば、翌日に手にすることができます。雑誌でさえもわざわざ買いに行く時間がなければ取り寄せてしまう昨今。
であれば書店の役割って何だろうと。先の件があって感じたことは、「宝探し」みたいなものではないかと。山積みされた本を見ながら、何か面白いそうなものはないかと見て回って本を買う、そんなものではないかと。
最近、書店によっては多くのPOPを使って、本の紹介をしています。そのPOPを見ながら「こんな本もあるんだ」と買う、ウインドウショッピングみたいなものを実現する場所ではないかと感じます。
だから人のたくさん集まる場所の本屋さんは人が多いのだと思うのです。残念ですが、その近所の本屋さんにはそうしたPOPがあまり見当たりませんでした。折角来たので手ぶらで帰るのもなぁと思っていたのですが、何も買わずに帰ってしまいました。
結局「自社の置かれた役割」を認識することだと思います。自分たちが思っている以上に、消費者はシビアに見ているのだと。どんな仕事も常に役割が変化していくのだという気持ちが必要だと、あらためてそんなことを感じてしまいました。