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こちらから寄り添う

大学の経営が少子化により今後厳しくなると言われています。と同時に大学の部活動やサークルへの新入生の勧誘も難しくなっています。この事は何も学生だけの問題ではなく部活やサークルに関わる業者の業績も左右することとなります。
私のお客様で楽器を扱うお店があります。ニッチな楽器を扱っているのですが、多くのお客様は大学の部活動が相手となります。大学を卒業して社会人になっても継続する、そんな楽器ですので大学生の確保が将来の売上に大きく関わることとなります。
かつては隆盛を誇っていた部活動も部員不足で廃部や存続の危機となる部活もあるといいます。部活の維持に新入生の勧誘は必要不可欠ですが、昨今はサークルに新入生は流れてしまいなかなか部活に入らないとか。
そんな大学生の様子を見て、このお店では二回生、三回生を対象に新入生を勧誘するためのセミナーを始めたそうです。新入会員の声のかけ方から、チラシの作り方など。加えて声をかけられる新入生の心理状況までセミナーの中で話をするとか。
このセミナーは無料で行っているそうです。きっかけは楽器修理にお邪魔した時の学生との会話。こうしたことを通じて学生と関係性を作り、売り上げに繋げていると話をされていました。
「お客様が何にお困りか」ビジネスに携わるものであれば誰でも考えることですが、ついつい直接売ることばかりを考えるのが普通です。こうしてお客様のお困りことをお客様の立場に立って考えるとこうした行動に行き着くのかもしれません。
こうした取り組みを売上に結びつけていくには時間もかかりますし遠回りですが、実はこれが揺るぎないファン作りなのだとあらためて感じました。お客様の為に汗をかくというのはこういったことなんだと。
セミナー開催を考えたのは社員だそうですが、「全てはお客様のために」という理念がしっかりと根付いているんだと感じました。「お客様にこちらから寄り添う」そんな気持ちが伝わり新たなビジネスチャンスが生まれるのだと改めて感じます。マーケティングを伝えながら、逆に教えられた出来事でした。


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