先日東京出張中に退社した社員からの着信履歴が。父親の病気もあり当社を退社して実家に戻った彼。何だろうか?と電話をかけ直したところ、再就職先がようやく決まったとのこと。
「こんなに大変だと思っていませんでした」と電話の向こうでしみじみと語る彼。今回も職には就きましたが2年間は契約社員、加えてその間に資格も取得するのが条件だとか。昨年の夏に退社したので本当に苦労したようです。
「売り手市場」と言いますが、実際は正社員待遇ではなく、契約社員や期間社員の方が多いと言います。それだけ企業側も景気の先行きについては不安を持っているのだと思います。
職に着いてもこのように条件が不安定だとすると、結婚をためらってしまうのも何となく理解できます。今までは報道だけでとらえていた状況ですが、現実にこうして身近な人でその状況だと知ると思っている以上に深刻だということ。
若者の結婚が遅くなり、男女ともに独身が増えているのはこうした事情があるのだとあらためて感じます。先日もNHKテレビで若年層の雇用問題を取り上げていましたが、大学を卒業しても相変わらずバイトをしている女性のことを放映していました。
一方で退社してからもこうして連絡をくれるのは嬉しいものです。それだけその社員が義理堅いということであり、また当社での勤務が決して彼にとってマイナスではなかったということだなと思います。
退社したらそれでおしまい…それではさみしいというのが私の気持ちです。少なくとも当社と縁があり、会社の仲間として過ごした時間があるのですから、こうして近況を知らてくれることに率直に感謝です。
今からが彼にとって正念場、当社で学んだことを生かしてほしいと思います。そして今度は正採用で結婚しますなんて報告があることを楽しみに…。経営するものとして今回ばかりはうれしい報告でした。