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減らせないと思う心理

先日、お客様であり私の師匠でもある先輩経営者と話をしていた時の事。その会社、4月から10人採用するというのです。企業規模的には随分と思いきった採用ですが、いい人がいたらどんどんと採用していくというのがその経営者の考え方のようです。
当社を含めて多くの会社は固定費である社員の増加には二の足を踏んでしまうといいます。確かに採用してみなければわからない事が多いのですから…。しかしその社長はそうした先の事にはあまり心配をせず、採用した人を早く力をつけさせて、戦力にする事を考えるそうです。
この考え方、実は創業社長に多いように思います。財務的に厳しくなるといったところで、数字は感覚でとらえており、これ以上…という線引きを自然に行っているのではと思う次第です。
確かに自身で創業しているわけですから、会社が小さい時から自身でお金の出し入れにか関わっています。自身の会社にどれほどの試算があるかも体で覚えているはず。従って「これ以上は・・・」という線引きは自然にわかるのでしょうね。
後継社長である私はその部分が弱いなと思っています。勉強はかなりしました。それでも完璧に理解しているかといと随分怪しいなと感じています。という事で毎月、決まった日を決めて試算表などの目を通しています。
先の社長はこうも言っていました。「どうせ自身で始めた会社、無くなったら元に戻るだけだからと・・・」、あるモノを引き継いでしまう我々には、「減らせない」という本能的な怖さが潜んでいるのでしょうか。
「かかってしまう」という考え方と「増やして早く戦力にする」という考え方、人の採用ひとつとってもこれだけの見え方が違うのだと思いました。どうせならポジティブに考えたいですね。
「頭でわかっていても、ついつい数字を見て一喜一憂しちゃいます」と私。「それだから人間」と言ってくれた先輩経営者。その言葉に救われました。


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