全印工連の産業戦略デザイン室の委員をつとめている関係で、先日も広島のブロック協議会説明のためにお邪魔しました。中国ブロックは岡山、山口、鳥取、島根そして広島が該当の県となります。
島根や鳥取といった日本海側は人口も少なく印刷業者の数も限られます。地方は大変といいますがこうした状況ひとつとっても名古屋にいる私は恵まれている事を実感します。
と思いながら実際に名刺交換をすると名刺に書かれている品目が印刷以外の仕事に携わっている会社が多いことに驚きます。住宅関連の価格サイトを作っていたり印刷の種類毎に会社を作ってホールディングスを形成していたり、広告代理店機能を充実していたり。
町村合併で行政の数も減り、行政依存度の高い地方の業者にとっては厳しい状況にある我々の事実。しかし名刺にある事業領域をみると自ら新たな事業領域を求めて実際に行動しているのは意外に地方の印刷会社の方かなと感じます。
地方の人にとって都会は魅力的であり、どれだけでもお客さんがいるように感じると言います。ところがその都会にいると「競争相手が多い」ことを理由に、先々を憂えているばかり。
景気の気は気持ちと言いますが、結局は心の持ち用であり実際に自ら動くか否かだけのことかなと思います。地方の経営者の方を見ていると「仕事がなければ作っちゃう」という感じでしょうか。
全印工連の「印刷道」という冊子の編集に関わりました。その中でいくつか成果を上げている会社の事例があります。共通して言えることは、長い時間をかけて自社の業態を変革し今があるということです。
「待ったなし」とか「いよいよ生き残りをかけて」という言葉を盛んに使いますが、要は実際に動くか否かだけなのだと思います。人は「変化を嫌う」と言います。だから苦手な変化にチャレンジした人が、会社がそのご褒美に頂けるのではと思った次第です。
「何でも時代のせいにしていりゃそりゃ楽だ」紀伊国屋書店創業者の田辺茂一さんの言葉。今回他地区の同業者の方とお会いして、あらためて肝に銘じた次第です。