新年のあいさつ回りに出かけていますが、一方で当社にもあいさつ回りとしていくつかの会社に来社いただいています。来社いただいた方、私が不在しており大変失礼しました。この場でお詫び申し上げます。
ところで、その中で一つ感心する会社がありました。この会社は加工業界で我々がお客様となります。この業界の規模は「家族+α」というところが多く、どちらかというと「待ち」の仕事です。
自ら営業回りをして仕事を獲得していくという業界ではありません。従って職人気質の経営者が多いのが現実。社員を育てていこうという姿勢のある会社は少ない業界です。
最終工程の業界ですので、右肩上がりの時は繁忙期になると「やれない!!」と一喝され、どちらがお客様かわからない・・・なんてことさえかつてはありました。しかし時代も厳しくなり、待ちの仕事では成り立たず、廃業や縮小も多くなってきました。
そんな中でこの会社は数年前から積極的に人材育成に取り組むようになり、とうとう部下と共にお客様周りをするまでになったのです。「そんなの当たり前…」と思うかもしれませんが、その当たり前の事が出来る会社は実は多くの中小企業でごく一部なのだと思います。
仕事というのは教える手間より、自分で動いてしまった方が楽だと技術職の方は言います。しかし年を重ねていくうちに若い頃のように動けなくなります。自分が動ける間に人を育
てられる会社がいよいよこれからは伸びていくのだという事を実感しました。
特に技術職、ストレートに言ってしまえば職人の業界であればあるほどこうして人材育成をしたところが一人勝ちになっていくのではないでしょうか。私もその事に気が付いたのはここ10年ほど前。自分が30代の頃に気が付いていたらとあらためて感じた次第です。
人材育成は経営者だけでの仕事ではありません。まずは経営者がそれをやって見せ、次に幹部社員がそれを見ながら自分の部下を育てていく、その連鎖が企業を強くしていくのだと思います。若手経営者の彼を見ながら「この会社は伸びる」とあらためて感じました。
教育にノウハウはありません。じっくりと腰を落ち着け最低5年から10年かけて育てていくもの。私の場合ことし56歳ですので、この役割を幹部社員に託すことになります。「この会社はのびる」その感想を当社も持ってもらえるようにならないといけないと、教えられました。