任天堂と言えば花札やトランプからファミコンへ事業モデルを大転換して、娯楽というビジネスの考えを「モノからコト」に変えたということで一時はマーケティングの成功事例としてマスコミにも取り上げられていた会社です。
「いいソフトを作っていけばハードが売れる」というのが任天堂のビジネスモデル。その任天堂が営業赤字だそうです。ご存じのようにスマートフォンの登場で、任天堂のビジネスモデルが時代遅れのものになってしまいました。
よく本業を離れず新たなビジネスモデルを構築しなさいと聞きます。確かにその通りだと思いますが、本業そのものをどこに視点を置くかで、実は結果が大きく変わってしまっていることも実感しています。
気がつけば同業他社限らず、私の周りでも自社開催のセミナーや研修が増えてきました。あくまで推測ですが、お客様とのお付き合いをしていくうちに困りごとが明確となり、それを解決していく一つの方法がそうしたセミナー開催という形なのかもしれません。
私の知っている社長は社員研修に技術的な研修を一切やめた社長がいます。その代りに「働くということは…」「人としてどう生きていくべきか」「コミュニケケーションをどう円滑にしていくか」そうした事に時間をかけていると言います。
これだけ技術革新は速いとそれに対応していくのは、ハードでななく人の力だということがあらためてわかってきたからではないでしょうか。そうしたことにお答えしていくために、現役の社長自らが発信する場も多くなっているようです。
技術が商材なら徹底的にその技術を磨いていくことが差別化です。しかしそれを支えているのもそこに携わる人の力。結局は社員力がこれからの企業のキーワードなのだと思います。
時代の寵児とまでいわれた任天堂でさえも苦しむ今の経済状況、我々のような中小企業は常に「変えてはいけないこと」と「変わらなくてはいけないこと」を常に頭に入れ、そのための社員育成を常日頃心がけなくてはいけないとあらためて感じます。