先週、愛知県印刷工業組合の豊橋支部でCSRの取り組みについての話をさせて頂く機会がありました。お題がCSRですので、経営者の方ばかりと思い準備をしたところ、直前に社員の方が大半という事で、急遽内容を変えて講演にのぞみました。
40名ほどの参加でしたが、会社数はわずか7社。半数近くは一社の社員で占められ、その他の会社も複数の社員を受講させていました。こうした傾向は組合で行うすべての研修で顕著になっている傾向です。
CSRはどちらかと言えば経営サイドの内容ですので経験上経営者の参加が多いのですが、半数以上参加させている社長にその真意を聞いてみたところ「CSR認定を受ける為、実践していくために社員にも聞いてほしかった」とのこと。
年末の忙しい時期ですので、セミナー参加をするくらいなら仕事をしてもらった方がいいというのが、今までの業界内での経営者の考え方だけに、この社長の考え方は目先にとらわれない今まさに必要とされている経営の考え方だと思います。
今回のお題は理念のようなもの。ハウツー物のようにすぐに使えるというものでなく、会社の基本となる考え方に依存していくものです。こうした内容は、即効性がないので講義としては地味ですが、一方でないがしろにはできないものです。
地味な内容にも関わらず目先の仕事にとらわれず将来を見据えて学びの場を提供している考え方は、先々大きな差となってくることは間違いありません。
業界の厳しさを反映して、マーケティングセミナーはこのところ多くの方に参加いただいていますが、こうした理念に目を向ける経営者が出てきた事は、そうした時代の到来だと思う一方、理念経営の必要性が中小企業にも認知されてきた事を実感します。
益々会社間の格差は広がっていく事を実感します。「社員教育がより必要な時代ですよ」・・・当社もあらためてこの言葉を肝に銘じなければと感じた次第です。