日々の経営でクレームはどうしても避ける事はできません。どんな仕組みを作っても全くクレームがなく仕事が進んでいく事はなかなかありません。特に機械化されていない人の手によって発生するミスは避けられないのが現実です。
不幸にもクレームが発生してしまったら・・・当然ですが、すぐに原状復帰です。原状復帰の仕方は業態によって千差万別ですが、できるだけ早く不満と不安を取り除く事ではないでしょうか。
ところでその時皆さんの会社ではどんな対応をしますか。社員総動員で原状復帰をする場合が多いでしょうが、いくら総動員で復帰をしたとしても、ミスクレームを起こしてしまった事実とそれによる信頼の失墜があった事は忘れてはなりません。
クレームの対応によって信頼関係が増すことがあるといいます。私もそう思っている一人ですが、それでもクレームを起こしてしまった事実とそれによる信頼失墜という事態は残るのです。
ある社長はあえて原状復帰をする際、当事者及び関係者だけで行っているといいます。その理由を社長は「たとえ徹夜しても、当事者が原状復帰をする事でミス、クレームを発生させた事実を、身を持って感じるからだ」と言っていました。
その社長は、全員でやることで当事者の責任意識が薄まってしまう事が心配だといいます。だから時間の許す限り、当事者で対応させるのだと・・・その事で事の重大さを感じてもらうのだと。
どちらも正しい対応だと思います。当社は経営活動の基本を全員参加としていますが、先の会社の対応を見る限り、これもケースバイケースなんだと思います。
大切な事は当事者が二度と起こさないと強く肝に銘じて仕事に向かう事だと思います。ミス、クレームの対応ではなく、絶対に起こさないという会社全体の張りつめた雰囲気を作っていくのが、経営者の務めだと感じています。