介護の仕事は激務です。そして何よりも待遇の悪さが問題になっています。亡くなった父親が健在だったころに、多くの介護施設を見る機会がありましたが、労働環境が決して恵まれているという感じはしませんでした。
その「常識」を覆す施設をお邪魔しました。「たんぽぽ介護センター」です。実は筒井社長が当社主催の講演会、そして元気塾に参加いただいたのがご縁で、今回の訪問となりました。
「介護」というと至れり尽くせりが常識ですが、ここでは一日の生活も自身で選択します。メニューはスポーツからカラオケ、そしてなんとカジノまで。定員が決まっているのですべて早い者勝ち。そして食事の配膳も身体が許せばすべて自分です。
そのベースとなるのはこのセンター内でのみ通用するお金「シード」。この通貨を使って自身のやりたいもの、先のギャンブルでお金も増やせます。本物のカジノで使われているものと同じものが置かれてパチンコ台も最新。一つの社会をここでは形成しています。
こうした仕組みのおかげで実は職員の方の力を借りる状況が少なくなっているそうです。筒井社長は職員の方の勤務にも優しく目を配っていました。「通常の介護施設と逆の事をする」・・・言うのは簡単ですが、ここでは現実になっています。
とかく常識という枠にとらわれて「やれるわけがない・・・」と言いがちです。しかしこうした姿を見ると「やれない事はない…」とあらためて思いました。そしてやれている様子を見るとそれが当たり前に見えるから不思議ですね。
職員の待遇も他の施設と変わらないといいます。待遇が不満で退社する人もいるといいますが、実はまた戻ってくると・・・。お金には変えられない本当の働く意義がここにはあるのだと感じました。
「何のために働くか・・・」筒井社長は「周りの人の為」と言います。そしてその事を職員の方も受け止めているからすごいのです。これからの仕事の仕方がたくさん詰まったこの空間、普段口にしながら自身はまだ道半ばを実感しました。まずは「やれない事はない・・・」ですね。