ミャンマー初日は印刷会社を視察。パッケージを印刷し型抜きをして加工までの一貫生産をしている会社です。
お客さんは、韓国をはじめアジアの国々。印刷機は既に20年以上も経過しているものばかり、中には私が子供の頃にあったドイツ製の機械が、現役選手としてバリバリと働いています。
現場は日本のような空調はなく、ミャンマーらしい湿度の高い中での作業を余儀なくされています。決して条件の良い状況ではない工場。むしろ印刷環境としては「ダメでしょ」という環境です。
が、感じたことがあります。確かに良いものを印刷していこうと思えば、 空調や湿度管理をうるさく言うのは
当然ですが、その「良いもの」が、過剰になりすぎていないかと。
確かに印刷されたものを見ても、決して品質が高いものとはいえません。しかし、一緒に今回参加した他業種の方は「どこが悪いの?」という感想です。自分が今の業種に入った頃に、思った「どこが悪いの?」という感想をあらためて思い出してしまいました。
「そろそろ印刷機を新しくしたい」そう言っていた私の友人、印刷が素人であった彼も良いものを印刷しないといけないと思うようになってきたと言います。それでも我々が普段思っている良いものとは違うだろうと。
過剰包装という言葉がありますが、品質に対してもあまりに過剰になりすぎてはいないかと感じます。日本の場合、その過剰に対して、金額に添加されないなと思いました。
環境は確かに悪いですし、印刷機も決して良いものではありません。しかし、一台の印刷機に平均四名の社員が関わって仕事をしている姿を見ると、日本的には無駄かもしれませんが、「ものづくり」の原点を垣間見た気がします。
機械化されて無味乾燥な工場よりも、人がたくさん関わっても「皆で作り上げている感」のある現場。20年ほど前に中国の深センに行って同様のことを感じましたが、ここミャンマーでも今全く同じ空気感があります。
「いまでしょ!」その言葉が巷の話題になっていますが、ミャンマーもまさにこの言葉が当てはまると思います。ものづくりの原点を垣間見た今回の視察、忘れていたものをあらためて思い起こさせる時間でした。