マリナーズのイチロー選手が突然のヤンキースへの移籍、このニュースが大きく報道されたと思ったら、その二時間後にはヤンキースでプレー、相手はなんとマリナーズ…。契約社会らしいアメリカだなと感じます。
記者会見でマリナーズでの事を聞かれると言葉を詰まらせ「やめましょう…」と。彼らしくない感情的な部分を見せ、正直なところ驚きました。
そしてもっと印象的だったのは、彼が打席に立った時にマリナーズファンからスタンディングオベーションだったこと。 Aロッドがブーイングたったのとは対照的な彼への賛辞は日本人としても誇りに感じます。
彼の勤勉な姿勢がファンへの共感を呼んだことをあらためて感じています。一方で後輩への指導力に疑問があった彼、「背中を見ろ・・・」という日本人らしい姿はなかなか通じなかったようです。
人生には出会いと別れがあります。もちろん人生の終息という別れもありますが、こうした転職や退職、移籍というものにも別れはつき物です。そうした場合の当事者を取り巻く周りの行動や感情の表し方でその人は評価されると思います。
確かに合理的なアメリカ人さえ、金銭で移籍したAロッドに対しては札束のボードまで出してブーイングをします。スタンディングオベーションで敵チームヤンキースの一員となった彼へのファンの賛辞と記者会見で言葉を詰まらせたイチローの思いは通い合っていたのだという気がします。
今回の一件を見て、彼がより人間らしいと感じました。孤高の人という印象の強い彼ですが、実はとっても熱いのだいう事も…。ここでまた一つ彼の評価が上がったなと感じます。
私も一度だけ大きな転職をしました。ご存知の通り教職から今の会社への転職です。おかげさまで当時の先輩、同僚そして教え子と今でもビジネスやプライベートで交流させていただいています。大変手前味噌ですが「一生懸命に勤めた」姿を評価いただいた結果だと思います。
人の縁は不思議とつながるもの。今回のイチローもこうした縁を大切にしてきた人だと思いす。そして人としての魅力はひたむきな姿勢に表れるのだとも。そういった人ほど人としての器も大きいですね。果たして私は…まだまだ道半ばです(苦笑)。