気がつけば創業して57年が経過しようとしています。ちょうど私の重ねた年と同じ年数を会社は歩んでいます。ブローカーから母親と二人で始めた会社。子供心に夜遅くまで働いている両親を見て育ちました。
あれほど跡継ぎになるのが嫌で教師の道を進んだ私。結局いまは後継社長として会社を切り盛りしています。そして気がつけば私もそろそろ還暦が目の前に迫ってきました。
生前父親は「印刷機の設備をもっとしていれば会社はもっと大きくなっていた」と口にしていました。父親は文字ものが大好きで私が物心をついたときから会社には活字か多くあったことを覚えています。
「売り上げになるのに文字ものは時間がかかるけどなぜか好きだった」と先代。確かに印刷だけなら版と紙を用意すれば手離れもよく、早くお金になったはずですが、あえてそれをしませんでした。
□先のことなんて分からないから・・・。
そんな手離れが悪い仕事のおかげで今当社は何とか仕事をさせていただいています。文字組をしていなければ「デザイン」を内製化することもなかったでしょうし、企画や動画をやろうなんて思っていなかったと思います。
先のことは分からないなと思います。ひとつ言えることは先代がお客様のお困りごとに応えていたら結果として文字ものになってしまったこと。「お客様の声なき声に耳を傾ける」次世代につなぐ為にあらためて先代と同じ思いになってみようと思います。