「今日は夕方から若手だけの勉強会。その後懇親会なんです。」・・・駐車場に社長の車がないことに質問したことへの社長の答えです。私よりも2才年上の社長。後継者にあたる人も会社に入り、次世代に継承していく準備をしている一環だと言います。
そしてもう一つは同世代のコミュニケーションを図ることを念頭においての今回の話し合いだとか。社長の業種は機械設計、我々の仕事と違って一度お客様とお付き合いが始まるとかなりの長い期間そのお客様とだけ付き合うことが多いと言います。
極端に言えば、10年以上同じお客さんとだけのお付き合いが続くとも言います。「すごい狭い世界なんだ」と社長、そんなこともあり今年から次世代を交えて若い人たちだけでの勉強会を続けていると言います。
設計関係でコミュニケーションというのは正直なところピンと来ないのですが、あえてそうするのは事業継承をしていくなかでコミュニケーションという切り口が避けられないということの表れだと思います。
特に親分子分のような関係性や上司部下といった上下関係が通用しない時代。なにせキーワードが「絆」といわれる時代です。縦のつながりではなく横の繋がりを大切にしていくのですから当然かもしれません。
ちなみにこの社長、創業社長です。創業社長の多くは自身で起業しただけに、頭でわかっていても、実際に行動に移す人は少ないと思います。それだけにこうした次を見据えた行動をしていくこの社長は素晴らしいなと。
当社も先月若手対象と幹部対象の勉強会を実施しました。若手研修会の2回目のフォローアップでは「こうしたことに時間を使っていてありがたい」という感想が若手社員からありました。
「コミュニケーションを取りなさい」と簡単に言いますが、一方で会社がそれだけの時間や環境を作らないといけないと思います。「それだけの場を作るから」といったメッセージを作って初めてその気になるのではないかと。