「印刷物だけを売るのではなくその周辺にあるサービスも提供する」我々の業界では「印刷付帯サービス」という言葉でよく表現されています。アメリカでは1ドルの印刷物に6ドルの付帯サービスがあるとさえ言われています。
先週大阪に行った際、大阪駅に隣接する「Lucua Osaka」 にある蔦屋書店に行った際に、全く同じことを感じました。ワンフロア全てが蔦屋書店ですが、そのセンターにはスターバックスがあり周りを書店が囲んでいます。そして各コーナーには書籍に関係する店が。
たとえば写真に関するコーナーにはカメラのキタムラ。携帯端末の話題の近くには携帯会社、またイヤホンやスピーカーメーカー、またいま話題のドロンといった商品までもが並べられ実際に売られています。
センターのスタバには当然ですが、椅子と机がありフロアのあちこちにも椅子があり腰掛けられるようになっています。立ち読みなんておとがめなし、関係するものをついでに売ってしまおうという陳列でお店同士のコラボレーションがなされています。
値引きされているものはなく、ほぼ定価販売。それでも売れていくのは書籍と関係する商品ということで、欲しくなったら目の前にある「ついで買い」をその空間で実現しているからだと思います。
消費者目線で考えると当たり前の心理であり、一緒に売ってしまおうというよろず屋さん的な発想がかえって新鮮。ネット時代での売り方のひとつの形なんだと身を置いてあらためて思いました。
先の「付帯サービス」も印刷物を主体に考えるとなかなか知恵が浮かびませんが、サービスや商品を俯瞰して見るとまだまだ我々が提案できるものがあるのではと感じます。それだけ印刷は多くの場面で関係性を作りやすいからです。
そのヒントは消費の場所に足を運ぶことではないかと思います。陳列を見たりキャッチを見たりすることで、なにか閃くものが・・・。そんな事を感じた空間でした。全く違う空間にヒントはあるかもしれないなと。