意外と知らない?PCやHDD、ルーター等の正しい処分方法
新年度に向けて、不要になったPC(パソコン)等の機器の整理をしている企業も多いと思います。そこで今回は、PC等の正しい処分方法についてまとめてみました。
●PCは捨ててはいけません!データの完全消去も忘れずに!
PCはテレビ等と同じで法令により「回収」が義務付けられているので、不燃ごみ等として破棄することはできません。以下のような方法で必ず回収してもらいましょう。
- メーカーによる回収:個人用PC等「PCリサイクルシール」が貼られているPCはメーカーが無料で回収してくれます。ただし、法人用PC等「PCリサイクルシール」が貼られていない場合は有料となります。
- 販売店(代理店)による回収:PCの販売店(代理店)によっては、PCの回収を行っている場合があります。主にPCの買い替え時に旧PCを引き取るというケースが多いですが、PCの購入に関係なく有料での回収サービスを実施していることもあります。
- PCリユース・回収業者による回収:中古販売や部品のリサイクル利用目的等でPCを回収(買取)してくれる業者に依頼して回収してもらいます(回収・引取りの場合は有料)。
- 自治体による回収:自治体が指定する回収場所にPCを持ち込んで回収してもらいます。PC以外の小型家電(プリンター等)も回収対象となっていることが多いです。
ただし、いずれの場合もご自身でPC内のデータは確実に(完全に)消去してから回収してもらいましょう。具体的には「PCを初期化する」「完全データ消去ツールを使用する」「起動しない場合は内臓HDDを物理的に破壊する」等を行ってください。そうしないと、PC内に残っているデータ(情報)が悪用される(流出する)危険があります。
●外付けHDD、NASも基本的にはPCと同じ
外付けHDD(ハードディスク)やNAS(ネットワーク上で使用可能なHDD)の処分についても、基本的にはPCと同じです。ただし、自治体によっては不燃ごみとして破棄できるところもあるようです。また、「PCリサイクルマーク」のようにメーカーが無料で回収してくれることはありません。
PC同様にHDDやNAS内のデータを完全に消去することも必須です。メーカーの提供するデータ消去ツール等を使用して確実に消去しましょう。故障により起動しない場合は、データ消去専門業者に依頼する等して、HDDを物理的に破壊してもらいましょう(最近では家電量販店でも実施してくれるところがあります)。
●ルーター(WI-Fiルーター)はプロバイダー契約を要確認
ルーター(Wi-Fiルーター、アクセスポイント含む)は、プロバイダーからのレンタル品の場合があるので、処分前に必ず確認し、レンタル品であればプロバイダーに返却してください。
ご自身で購入したルーターの場合は、不燃ごみとして破棄可能か小型家電としての回収になるのか自治体に確認しましょう。
また、ルーターには利用していたプロバイダーの情報が保存されているので、処分前に必ず初期化しておきましょう(初期化の方法はメーカー等の情報を確認してください)。
●USBメモリもデータは確実に消去してから処分を!
USBメモリも不燃ごみとして破棄するか、小型家電として回収対象となっているか、自治体に確認してください。
ただし、USBメモリも保存されていたデータは専用ツールを使うか初期化する、またはデータ消去業者に依頼する等して完全に消去してください。ただデータを「削除」で消しただけでは、データを復旧されて悪用される危険があります。
水に一定時間浸す・電子レンジで加熱する等によって破壊できる、という情報もありますが、殆どの場合それだけでは壊れません(復旧可能)。電子レンジが壊れる等のリスクもあるので絶対にやめましょう。
また、壊れている(認識しない)場合でも、別のPCでは認識する場合もあるので、複数のPCに接続する等して確実に壊れていることを確認してください。
●CD-R、DVD-Rは記録面を物理破壊して処分
CD-RやDVD-Rは可燃ごみとして破棄できる自治体が多いですが、地域によって異なる場合があるので、まずは自治体に確認してください。
そのうえで、表面(レーベル面が記録層です。裏面を傷つけただけではデータが取り出せる場合があります)をカッター等で深く傷をつけるかディスクをハサミ等で切る、またはシュレッダーで断裁してから破棄しましょう。
DVD-R等でディスクが2枚重なって作られている場合は、カッター等を2枚の隙間に入れて剥がし、それぞれに傷をつけて破棄しましょう。
●複合機やプリンターも初期化を忘れずに
複合機やプリンターを処分する場合は、小型家電として自治体で回収、またはメーカーや販売店での回収となりますが、データを初期化することを忘れないようにしましょう。
複合機であればネットワーク情報やFAX・コピー等のデータが本体に残っている場合があります。プリンターもネットワークに接続して使用していた場合はネットワーク情報が記憶されているので、初期化しておきましょう。
なお、いずれの機器・端末の場合も、会社で使用していた(会社のデータが保存されていた)ものは必ず会社で、会社の指定する方法で処分してください。PCやHDDを自宅に持ち帰って、自宅から回収してもらう(自宅の自治体で回収)、またはCD-R等を自宅や通勤途中のコンビニ等で破棄する等は、思わぬところから情報漏えいが発生する危険があります。
たいしたデータは保存していなかったから……とデータを完全に消去せずに処分することも絶対にやめましょう。自分からはたいしたデータではなくても、他者にとっては「おいしい」データである場合もありますし、想像もしていなかったようなトラブルの原因になるおそれもあります。
不要になったPC等の端末や機器は適切に処分しましょう。